二十五三昧式
提供: 新纂浄土宗大辞典
にじゅうござんまいしき/二十五三昧式
一巻。「六道講式」ともいう。源信撰。毎月一五日に同志が集まり念仏三昧を修する、二十五三昧会の儀式の次第を定めたもの。『往生要集』大文第一「厭離穢土」に説示される六道の衆生を救済するための念仏の実修を明かす。人間の非力と阿弥陀仏の功徳を提示して称名念仏を勧めており、彼此同生の浄土を最終の目的としている。『横川首楞厳院二十五三昧起請』八箇条起請の第一条にみられる行儀次第と酷似している。その内容は、伽陀、三礼、如来唄、礼仏偈、表白、根本結縁衆二十五人連署発願文、勧請、四奉請、経誦出阿弥陀経、回向文(地獄道)、十二礼讃偈①、礼拝文、十二礼讃偈②、礼拝文、(以下、経から礼拝文まで同じく、回向文が餓鬼道、畜生道、修羅道、人道、天道へと続き)三礼、七仏通戒偈、後夜偈、神分、霊分、祈願、九条錫杖となっている。高野山金剛三昧院に建保五年(一二一七)と貞応三年(一二二四)など五本の古写本が存在する。
【所収】仏全三一、『恵心僧都全集』一
【参考】伊藤真徹『平安浄土教信仰史の研究』(平楽寺書店、一九七四)、奈良弘元『初期叡山浄土教の研究』(春秋社、二〇〇二)
【執筆者:和田典善】