二十五三昧会
提供: 新纂浄土宗大辞典
にじゅうござんまいえ/二十五三昧会
寛和二年(九八六)に比叡山横川首楞厳院の僧侶二五名を根本結衆として始められた念仏結社。会衆は、『観経』下品下生に説かれる「…具足十念称南無阿弥陀仏…即得往生極楽世界」(聖典一・一九〇~一/浄全一・五〇)の文を来世の証として、互いに善友となって臨終まで念仏行を支え合うことを誓い、またこの念仏を六道に輪廻する一切の衆生に回向して、共に浄土に往生することを願い、毎月一五日に共に不断念仏として修した。源信『横川首楞厳院二十五三昧起請』には、不断念仏の他に行うべき行法とその理由が記され、『楞厳院廿五三昧結衆過去帳』には、寛和三年(九八七)に没した祥雲から、長元七年(一〇三四)に没した覚超まで、五一人の会衆が概ね没年順に記されている。
【資料】『横川首楞厳院二十五三昧式』(『恵心僧都全集』一、正蔵八四)、『楞厳院廿五三昧結衆過去帳』(『平安朝往生伝集』宮内庁書陵部、一九七〇/『書陵部紀要』三七、一九八五〔平林盛得翻刻〕)
【参考】堀大慈「二十五三昧会の成立に関する諸問題」(『京都女子大学人文論叢』九、一九六四)、小原仁「勧学会と廿五三昧会」(大隅和雄・速水侑編『源信』吉川弘文館、一九八八)、西村冏紹「勧学会と二十五三昧会」(『叡山学院研究紀要』一七、一九九四)
【参照項目】➡二十五三昧式
【執筆者:米澤実江子】