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敬礼

提供: 新纂浄土宗大辞典

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きょうらい/敬礼

敬って礼拝すること。またその礼拝をいう。ⓈnamasやⓈvandanaなどの訳。『俱舎論』一には「稽首して接足するが故に敬礼と称す」(正蔵二九・一上)とある。『大乗法苑義林章』は、「古に南牟なむとは即ち是敬礼なり」(正蔵四五・三一六中)といい、「つぶさ三宝に帰すは、方に是帰依なり。但し、一尊を敬うは即ち是敬礼なり」(正蔵四五・三一六下)として、帰依敬礼とを区分している。「敬礼偈」は釈尊法会に用いている。『漢書』丙吉伝賛、『後漢書』耿弇こうえん伝にその漢語の用例が見られる。


【参照項目】➡三宝礼敬礼偈


【執筆者:西城宗隆】


祖山声明伽陀の一つ。「敬礼天人大覚尊きょうらいてんにんだいかくそん 恒沙福智円満ごうじゃふくちかいえんまん 因円果満成正いんねんかまんじょうしょう覚\_rがく\/\ 住寿凝然無去来じゅうじゅぎょねんむこらい」。「敬礼偈」の声明で、敬礼伽陀敬礼天人ともいう。合曲・盤渉調ばんしきちょう出音商しゅっとんしょう。第二・三句を省略することが多い。金戒光明寺御忌では、「前伽陀」として唱えている。金戒光明寺では転調せず譜面の通りに唱えているが、知恩院では「光明伽陀」と同様に「去」から転調している。それは唱導師入堂して登高座するまで唱えるので、何回か繰り返しをする必要がある場合のためである。『天台声明大成』には、伽陀の「釈迦」として掲載されている(金声堂、一九六七)。


【参照項目】➡敬礼偈


【執筆者:西城宗隆】


増上寺御忌大会で唱える伽陀の一つ。「敬礼天人大覚尊きょうらいてんにんだいかくそん 恒沙福智円満ごうじゃふくちかいえんまん」(『声明並特殊法要集増上寺遠忌局、一九四一)。平調出音羽しゅっとんう御忌献供のときに伽陀として唱えることがある。「敬」の唱え方に特色がある。『法要集』(明治四三年版)には「因円果満正覚いんねんかまんじょうしょうがく 住寿凝然無去来じゅうじゅぎょねんむこらい」まで掲載されている。現行は上二句のみを唱えている。元旦の「附講式」では敬礼と天下(和順)を唱えていた(『増上寺月番日鑑』五、一・五三・九一)。「舎利講式」では敬礼伽陀として唱えた(『浄土宗法要儀式大観』二、一三〇、名著普及会、一九八七。『浄土講式』刊行年未詳)。また「地蔵講式」では伽陀敬礼として「如来観知地蔵尊 威神功徳説難尽 見聞膽礼一念間 利益人天無量事」を唱えた(『浄土宗法要儀式大観』二、一一九)。


【参考】『縁山声明集』(縁山声明編集委員会、一九八九)


【参照項目】➡敬礼偈


【執筆者:西城宗隆】