利益
提供: 新纂浄土宗大辞典
りやく/利益
仏の教えに従った行や祈禱などによって得られる恩恵のこと。Ⓢarthaの訳語としても用いられる。この世で受ける現世利益(現益)と後の世で受ける利益(当益)がある。浄土宗においては、念仏による滅罪・護念・見仏等を現益とし、命終後浄土に往生することを当益とする。法然は利益について、往生浄土を願って称名念仏をすることで、六方の諸仏や阿弥陀仏、観音菩薩等によって護念を得ると説くが、あくまでも往生浄土を願った行に付随したものであるとしている。
【資料】『選択集』、『浄土宗略抄』
【参考】藤堂恭俊「念仏の利益—現世において受ける変・転の妙味—」(『教化研究』四、一九九三)
【参照項目】➡念仏利益
【執筆者:郡嶋昭示】