涅槃講式
提供: 新纂浄土宗大辞典
ねはんこうしき/涅槃講式
釈尊入滅の日に行う講式(法会)。明恵・源信の『涅槃講式』とは異なる構成。昭和二二年(一九四七)二月に椎尾弁匡が撰述した講式型の法会。『仏遺教経』や『涅槃経』の経説によって釈尊入滅の情景を述べ、深い悲しみを吐露するものではなく、『無量寿経』に基づいた浄土教の涅槃会。『無量寿経』を脚本化して、導師(釈尊)・阿難と弥勒(対告衆)・次席(解説役)・維那・大衆という役配を決めて、「朗読劇」のように構成した法会。『無量寿経』の経説によって、釈尊の徳行を讃えて、浄土往生を勧める文を礼讃形式で唱え、その修善を勧める文を誦経(訓読)念仏して、舎利礼文を音読する。増上寺では二月一五日に涅槃図を掲げてこれを修している。
【参考】『三縁』一八・四二(増上寺、一九六〇・一九六二)、『涅槃会式』(椎尾弁匡親筆草稿本、増上寺蔵、一九四七)
【執筆者:西城宗隆】