訓読
提供: 新纂浄土宗大辞典
くんどく/訓読
漢文を国語の文法に従って訓点をつけて読むこと。これに対して字音で読むことを「音読」といい、呉音・漢音・宋音・唐音の別がある。仏典・仏語は一般に呉音で読む風があるが、『阿弥陀経』は漢音でも読まれた。法然が隆寛に『阿弥陀経』読誦について尋ねられたとき「毎日に『阿弥陀経』三巻を読みき。一巻は呉音、一巻は唐音、一巻は訓なりき、然るを今は、一向称名の外、他事なき」(『四十八巻伝』聖典六・六六八)と語っている。呉音は中国華南の呉・越地方の読書音で朝鮮半島から渡来、平安中期まで「和音」、中期以後は「呉音」とよぶ。漢音は長安地方の音で官府・役所などで用いられ、遣唐使・留学生・音博士などが伝えた。外国文を日本語に翻訳することを「国訳」や「和訳」という。
【参照項目】➡音読
【執筆者:今堀太逸】