音読
提供: 新纂浄土宗大辞典
おんどく/音読
誦経の際、漢文体の経文をその字音で読むこと。訓読の対。通常は呉音で読み、漢音(四奉請・引声阿弥陀経)、宋音(『授菩薩戒儀則』の梵讃偈)で読むこともある。『塵添壒囊鈔』には、訓読は功徳が浅く、誦経の法はすべて音読であり、音声は聖徳太子の定めた呉音としている(仏全一五〇・一五・三六四下)。『隆寛律師伝説の詞』には、法然が唐音(漢音)と呉音と訓読の誦経をしていたことを記している(昭法全四六四)。『檀信徒日常勤行式』は音読と訓読を掲載しているが、その多くは音読による勤行式である。堀井慶雅の『法式教案』には「音声は高からず低からず、常に平声に緩より漸次急に次第すべし。音は一越以上下無に至る音調にて俗聴ならず道声にして清く読むべし。性急に高低するが如きなく、水の底に流れるが如く洋々として読むべし。歌声の如くなす勿れ」(五オ、自家版、一九三八)と読誦法を説いている。
【参照項目】➡訓読
【執筆者:西城宗隆】