放生慈済羯磨儀軌
提供: 新纂浄土宗大辞典
ほうじょうじさいかつまぎき/放生慈済羯磨儀軌
一巻。『放生会儀軌』ともいう。敬首著。神洞録。享保一八年(一七三三)に弟子の忍龍等が募財して板行した。『梵網経』の「若し仏子。慈心を以ての故に放生業を行ぜよ」(正蔵二四・一〇〇六中)の経文に基づいて、放生会を修習するための儀軌。十意からなり、一、呪水解穢(烏枢沙摩明王解穢神呪による加持)。二、請賢聖衆(奉請)。三、散華焼香(香偈)。四、敬礼繞仏(三宝礼)。五、歌歎仏徳(歎仏偈)。六、授与三帰(羯磨三帰三竟)。七、称揚仏名(宝勝如来・弥陀如来)。八、説法開導(開経偈・光明歎徳章と菩薩戒経十無尽戒法品)。九、懺悔発願(五悔)。十、説三帰依(三帰礼)によって勤められる。版本には享保一八年版(瓔洛庵蔵版)、天保一三年版(三縁山蔵版)があり、また先行する二版とは少し異なる昭和・平成版がある。
【所収】『浄土苾蒭宝庫』上、『浄土宗勤行用集』僧之巻
【執筆者:大澤亮我】