三帰依
提供: 新纂浄土宗大辞典
さんきえ/三帰依
三宝、すなわちブッダ(仏Ⓢbuddha)と、その教えであるダルマ(法Ⓢdharma)、そしてそれを保つ教団であるサンガ(僧伽Ⓢsaṃgha)に帰依すること。三帰、三自帰ともいう。初期の仏教以来、三帰依の表明と五戒を持つことをもってはじめて仏教の信者となり、大乗・小乗、地域、時代などを問わず仏教徒であることの基本条件となる。三帰依文は三帰戒ともいい、パーリ文のものや『華厳経』に伝わるものが宗派を超えて知られるが、浄土宗では『根本説一切有部百一羯磨』一に由来し、天台宗が伝える菩薩戒の作法にしたがって、「帰依仏両足尊、帰依法離欲尊、帰依僧衆中尊」(聖典五・五〇九)を用いる。日常勤行式において「香偈」に続く「三宝礼」は、この三帰依を前提とした日々の敬礼である。法然は『選択集』一二において三帰に小乗と大乗の二種があるとし、小乗では三帰の効力が一生涯(尽形寿)であるのに対して大乗では未来世の尽きるまで(尽未来際)、すなわち輪廻を終えるまでと考えられている。
【参照項目】➡帰依
【執筆者:吹田隆道】