尽未来際
提供: 新纂浄土宗大辞典
じんみらいさい/尽未来際
「未来の辺際を尽くす」「永遠の時間の果てまで」の意味の熟語で、未来永劫、永遠の未来のこと。「永遠に」のように無限と同義で副詞的に用いられ、誓願を立てる場合などに用いる。その例として、『大乗本生心地観経』一には、「弘誓の願を発して、未来際を尽して群生を度脱す。此の諸の菩薩、久しからずして当に阿耨多羅三藐三菩提を得べし」(正蔵三・二九一中)とある。浄土宗では、『授菩薩戒儀』の「三帰とはまさに教えて言うべし。弟子某甲。願従今身。尽未来際。帰依仏両足尊。帰依法離欲尊。帰依僧衆中尊」(浄全一五・八七二下/続蔵五九・三五四下)などと懺悔三帰三竟、剃度や葬儀の文のなかにあって、よく知られている語でもある。
【資料】『八十華厳』三四、『十住経』一、『法華文句記』四
【執筆者:薊法明】