儀軌
提供: 新纂浄土宗大辞典
ぎき/儀軌
儀式の規則・儀法などの意。Ⓢkalpaの訳。密教の秘密壇場において仏・菩薩および天部を念じ供養する儀式規則のこと。転じてこれらの儀式規則を記述した経典を儀軌という。秘密儀軌、念誦儀軌、供養儀軌、三摩地儀軌などと称し、修行法、念誦法、供養法、三摩地法、密軌ということもある。密教では口伝を重んじて教えを秘惜するところから公刊されることは稀であったが、これらの規則を記した文献をも意味した。日本には貞享・元禄の頃、浄厳が黄檗山印房より刊行した一八七部三二四巻の録内儀軌、また黄檗山・長谷寺・江戸霊雲寺・高野山でそれぞれ刊行したものを合わせた一三二部一八〇巻の録外儀軌がある。
【執筆者:廣本榮康】