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供養

提供: 新纂浄土宗大辞典

くよう/供養

飲食おんじき衣服えぶく供物等を、仏法僧三宝や父母、師長(師や年長者)、亡者などに供えること。Ⓢpūjāなどの訳語。原語は、尊敬すること、奉仕すること、物を供えることを意味する。供養には二種供養三種供養四事供養などがあり、また『法華経』四では、華・香・瓔珞抹香塗香ずこう焼香繒蓋そうがい幢幡どうばん・衣服・伎楽の十種供養が説かれている。この他にも、種々の供養についての説示があり、『遺教経論』では、供養を身分供養(飲食・衣服・臥具・湯薬)と、心分供養(不共心供養・無厭足心供養・二事相違心供養・等分心供養)とに分科している。法然供養について「仏に花香仏供御明かしなんどをも参らせ、さらぬ宝をも参らせそうろうを供養とは申しそうろうなり」(『一百四十五箇条問答』聖典四・四五〇)と述べており、仏に種々の供え物をすることとしている。また五種正行の一つには讃歎供養正行があり、阿弥陀仏讃歎供養することが説かれている。これについて法然は「讃歎供養したてまつる事も、みな称名念仏を助けんがためなり」(『浄土宗略抄』聖典四・三六三)と述べ、供養念仏往生のための助業とみなしている。


【参照項目】➡二種供養三種供養四事供養五種供養十種供養


【執筆者:鷹觜観道】