塗香
提供: 新纂浄土宗大辞典
ずこう/塗香
手や身に塗る粉末の香、またはそれを塗ること。密教においては仏前に供える六種供具の一つ。身心を清浄にするために六波羅蜜のうち持戒を象徴するものとしている。塗香を頂く作法を塗香作法といい、浄土宗では五重相伝会、授戒会、伝宗伝戒道場、璽書道場、写経会等において、道場に入堂するとき、または洒水作法でも行う。入堂するときの塗香作法は左手掌を出して、塗香係などから塗香を頂く。塗香作法は、まず親指と人差し指で塗香を摘み、左手掌に香を乗せる。その後は入堂時も洒水時も共通で、右手の指頭を左方にして左掌を押さえるように合わせ、回転して右手を下に左手を上にし、再び回転してはじめの形に戻し、続いて左手の甲、右手の甲に塗香を塗り、叉手にして胸より丹田までなでおろす。
【執筆者:廣本榮康】