洒水
提供: 新纂浄土宗大辞典
しゃすい/洒水
香水を洒いで道場や供具などを浄める作法。仏像・菩薩像・祖師像をはじめ位牌などの開眼・撥遣、また家屋・室内・土地などの洒浄、五重相伝・授戒会・得度式・結婚式などの灌頂をするときに行う。七条以上の袈裟を被着する。まず、浄水で香木を煎じて香水を作り、これを浄瓶に入れて相伝に順じて加持を行い、瓶の口を浄紙で封じて仏前に備え、洒水作法を行うのが本儀という。三方上に塗香器・浄水器・散杖を備え、別に香炉と香を用意する。塗香作法を行い、焼香の後、左手は金剛拳を作って腰に当て、右手で散杖を持って香に薫じ、左手に持ち替える。右手で小三鈷の印を結び、三度加持する。散杖を右手に持ち替えて、所定の加持をする。そして三回円相を画き、一回毎に散杖を浄水につけ、「大円相中に一切の魔事なし」と念じ、作法をする。逆一の円相の後、三遍水切りをする。五重相伝・授戒会・結婚式・得度式など受者に向かって灌頂等の作法をするときは、順三の後に再度浄水に散杖を浸して受者に灌頂する。これを洒水灌頂という。その後、逆一の作法を行って洒水作法を終了する。浄水器、塗香器の蓋をとるときは音を出すようにする。また重要な儀式を行うときは、道場を浄めるために道場洒水を行う。
【執筆者:福西賢兆】