四方洒水
提供: 新纂浄土宗大辞典
しほうしゃすい/四方洒水
四天王の加護と魔障がないことを念じて四隅を洒水し、屋外の式場を結界する作法。地鎮式・起工式・立柱式・上棟式あるいは撞初式などの式場の、適宜の場所の四隅に葉竹を立て、四天王の銘幡を掛けて結界とする。洒水師は、「奉請四天王文」を唱えている間に、式場正面の壇に設けた洒水器で洒水作法を行い、東北の隅から東南・西南・西北へと右繞して、隅々で洒浄し、四方を浄める。次に四方散華をして式場を荘厳する。浄焚式の場合は、浄火によって焼却する仏具などの浄焚物を安置し、その区画を浄域として結界するために四方洒水を修し、最終の供養をし、撥遣の洒水作法をしてから浄焚する。過去には、洒浄式において、檀信徒の葬儀後に、棺を安置した室内を浄めるために四方洒水を行った(『法要集』昭和一四年版)が、『法要集』(平成二年版)では葬儀後でなく、家屋・堂内・土地等を浄める場合に改めた。
【参照項目】➡道場洒水、奉請四天王文、洒浄式、洒水、四方散華
【執筆者:西城宗隆】