奉請四天王文
提供: 新纂浄土宗大辞典
ぶじょうしてんのうもん/奉請四天王文
道場洒水・四方洒水などを行うときに唱える文。「奉請四天王 直入道場中 奉請師子王 師子亦難逢 奮迅身毛衣 衆魔退散去 廻頭請法師 直取涅槃城」(『法事讃』浄全四・一上)。「四天王を請い奉ります。直ちにこの道場中にお入り下さい。師子王に譬えられる仏を請い奉ります。師子(仏)には、また逢うことが難しいものです。師子の身の毛や衣を威勢よく奮い立たせれば、すべての悪魔は退散してこの道場を去っていくでしょう。頭を垂れて仏法に導く師を請えば、直ちに悟りの境地を得ることができるでしょう」との意。道場内の四隅に四天王を安置するのは、道場を結界して、諸々の悪魔を退散させ、道場内を清浄にするためである。道場を結界して清浄にするために道場洒水をし、荘厳にするために道場散華をする。道場洒水のときには、殿司などが裏堂で洒水師の作法に合わせてこの偈文を唱える。露地で行う場合は四方洒水といい、同様の作法を行う。増上寺では、「法事讃」(「阿弥陀懺法」)などで唱えている。
【執筆者:西城宗隆】