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九位奉唱

提供: 新纂浄土宗大辞典

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くいほうしょう/九位奉唱

盂蘭盆会行道散華しながら唱える文。「南無十方なむじっぽうぶ 南無十方ほう 南無十方そう 南無蘭盆教主釈迦文仏らんぼんきょうしゅしゃかもんぶ 南無蘭盆至教修多羅しきょうしゅたらぞう 南無十方自恣菩薩僧衆じしぼさっそうしゅ 南無十方自恣縁覚僧衆 南無十方自恣声聞僧衆 南無報親入道目連尊者ほうしんにゅうどうもくれんそんじゃ」。仏・法・僧・釈尊修多羅蔵・菩薩僧衆・縁覚僧衆・声聞僧衆・目連尊者の九位の宝号を唱えて帰依を表明する文。盂蘭盆会は、三宝を除く六位を奉請・頂礼(礼拝)して、九位に行道して南無帰依)を表し、百味五果を献じる儀礼構成をとっている。句頭が「南無十方仏」と一唱し、大衆が「南無十方仏」と同音一唱する。大衆句頭発声中に無言で散華をし、同音復唱しながら行道する。一句の間に行道し、終わりに内面(本尊)に向いて止まる。「南」と「僧衆」の「僧」は、「うつり」という「九位奉唱」の独特の曲調で、塩梅えんばいの伴う唱法をする。『諸回向宝鑑』『浄土苾蒭びっしゅ宝庫』『法要集』(明治四三年版)は、「南無仏(法・僧)・南無本師釈迦牟尼仏・南無大悲観世音菩薩」と唱え、『法要集』(大正一三年版)はこれを省略した。この「九位奉唱」は、『法要集』(昭和一四年版)で制定された。


【参考】『浄土宗法要集』一(浄土宗、一九九九)、宍戸栄雄「盂蘭盆会」(『一遇』一九、一遇会事務局、一九七五)


【参照項目】➡盂蘭盆会


【執筆者:西城宗隆】