盂蘭盆会
提供: 新纂浄土宗大辞典
うらぼんえ/盂蘭盆会
『盂蘭盆経』に基づく法会。盂蘭盆は「盆」「お盆」とも言われ、また「魂祭り」「精霊祭」とも呼ばれる行事である。盂蘭盆会は、中国において梁・大同四年(五三八)に行われたことが記録されており、日本においても推古天皇一四年(六〇六)に始まっている。『日本書紀』には、推古一四年の項に「この年より初めて、寺ごとに四月八日と七月十五日に斎を設けた」とある。浄土宗の盂蘭盆法要の次第は元照の『蘭盆献供儀』に基づき、宝洲の『浄業課誦付録』に従ったものとなっている。盂蘭盆会は「餓鬼道の衆生を救う」という共通点から施餓鬼と混同されることも多い。盂蘭盆会は、釈尊・法・三乗・目連を奉請し、頂礼(礼拝)し、三法と六位の宝号を唱えて行道する法会。このため差定には、奉請六位や宝号三唱(南無大孝釈迦文仏)、頂礼六位、九位奉唱がはいっている。また本堂正面に壇を設け、盆牌を奉安し、百味五菓などを供える。さらに別壇に先祖の位牌を安置する。
【資料】諦忍『盆供施餓鬼問弁』、『施餓鬼儀軌幷弁誤』
【参照項目】➡盂蘭盆、盆行事、盆牌、奉請六位、頂礼六位、九位奉唱、施餓鬼会
【執筆者:大澤亮我】