宝号三唱
提供: 新纂浄土宗大辞典
ほうごうさんしょう/宝号三唱
仏・菩薩の名を三回となえること。浄土宗では阿弥陀仏をはじめとする仏・菩薩の名号を、宝のごとく尊いとの意味で宝号という。盂蘭盆会では献供呪を唱えた後に、「南無大孝釈迦文仏」と三唱する。節なしの場合には、維那が一唱してから大衆が同様に二唱する。節を付ける場合は、「一唱一礼」の節で唱える(『法要集』下、一四)。維那が「南無大孝釈迦文仏」と唱えながら一礼すると、大衆は復唱して一礼する。これを三回繰り返す。涅槃会・灌仏会・成道会は、回願して「南無釈迦牟尼仏」と宝号を三唱する。修正会・晋山式の諸堂回向・鎮守法楽にはそれぞれ宝号三唱する。『浄土会講式』の「涅槃会儀軌」には称念宝号として「南無釈迦牟尼仏」を十遍とある。
【執筆者:西城宗隆】