一唱一礼
提供: 新纂浄土宗大辞典
いっしょういちらい/一唱一礼
一
「南無阿弥陀仏」に節をつけて、念仏一唱ごとに一礼する作法。句頭が一唱し、大衆は復唱して礼拝を繰り返す。知恩院の仏名会では、一二月二日から四日まで阿弥陀堂で「三千仏名」を唱えている。維那は区切の仏名にこの節を付けて上礼一拝し、導師大衆はこれを受けて弥陀仏名で一拝している。『法要集』記載の他には、結縁五重・授戒の贈回向で一唱一礼の回向礼拝がある。その節回しは、近江・大和・和泉など各地域によって若干の違いがある。
【参考】清水秀浩『浄土宗声明攷』(法楽寺、一九九八)
【執筆者:清水秀浩】
二
増上寺での一唱一礼は、「六道講式」等で唱えている。「六道講式」では維那が六方段の仏名を縁山流独自の節で一唱一礼し、大衆は南無阿弥陀仏を同じく一唱一礼する。また贈五重・贈戒牒の回向のときは、「追善菩提」をこの節で唱えて一礼し、受者は三唱一礼をしている。
【参照項目】➡六道講式
【執筆者:西城宗隆】