「加持」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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− | [[供物]]・<ruby>香水<rt>こうずい</rt></ruby>などを浄める[[作法]]。[[空海]]『[[即身成仏]]義』に「若し[[真言]]行人あって此の義を[[観察]]し、手に<ruby>[[印契]]<rt>いんげい</rt></ruby>を作し、口に[[真言]]を誦し、心三摩地に住し[[三密]]相応にして[[加持]]するが故に早く大悉地を得」([http://21dzk.l.u-tokyo.ac.jp/SAT2018/V77.0383a.html 正蔵七七・三八三上])とある。[[密教]]では修[[法上]]の[[作法]]として手に印を結び、口に[[真言]]をとなえ、心を三摩地に住すことにより妙果が得られるとされる。[[浄土宗]]における印を用いての[[加持]]は、[[半斎供養式]]の[[浄箸作法]]と[[洒水]]法における[[散杖]]の[[加持]]がある。これは[[小三鈷の印]]を結び、<ruby>[[甘露葷荼利呪]]<rt>かんろぐんだりじゅ</rt></ruby>をもって行う[[加持]]である。また印を用いない[[加持]]としては、[[洒水]]法において香と[[浄水]]を和合させ遍浄の二徳を[[具足]]させる[[[悉曇]] | + | [[供物]]・<ruby>香水<rt>こうずい</rt></ruby>などを浄める[[作法]]。[[空海]]『[[即身成仏]]義』に「若し[[真言]]行人あって此の義を[[観察]]し、手に<ruby>[[印契]]<rt>いんげい</rt></ruby>を作し、口に[[真言]]を誦し、心三摩地に住し[[三密]]相応にして[[加持]]するが故に早く大悉地を得」([http://21dzk.l.u-tokyo.ac.jp/SAT2018/V77.0383a.html 正蔵七七・三八三上])とある。[[密教]]では修[[法上]]の[[作法]]として手に印を結び、口に[[真言]]をとなえ、心を三摩地に住すことにより妙果が得られるとされる。[[浄土宗]]における印を用いての[[加持]]は、[[半斎供養式]]の[[浄箸作法]]と[[洒水]]法における[[散杖]]の[[加持]]がある。これは[[小三鈷の印]]を結び、<ruby>[[甘露葷荼利呪]]<rt>かんろぐんだりじゅ</rt></ruby>をもって行う[[加持]]である。また印を用いない[[加持]]としては、[[洒水]]法において香と[[浄水]]を和合させ遍浄の二徳を[[具足]]させる[[[悉曇]]:<ruby>raṃ<rt>ラン</rt></ruby>][[[悉曇]]:<ruby>vaṃ<rt>[[バン]]</rt></ruby>][[加持]]があり、[[半斎供養式]]の[[献供呪]]、[[棚経]]・[[施餓鬼会]]の[[変食陀羅尼]]は[[加持]][[供物]]にあたる。 |
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【執筆者:廣本榮康】 | 【執筆者:廣本榮康】 |
2025年9月8日 (月) 02:58時点における最新版
かじ/加持
一
側に立つこと、または住処の意味があり、転じて加護の義が用いられた。Ⓢadhiṣṭhānaの訳で所持、護念などともいわれる。空海『即身成仏義』には「加持とは如来の大悲と衆生の信心とを表す。仏日の影、衆生の心水に現ずるを加といい、行者の心水、能く仏日を感ずるを持と名づく」(正蔵七七・三八三中)とある。仏の大悲大智が衆生の機に加わるのを「加」、衆生がこれを受持するのを「持」といい、仏と衆生とが感応道交することを加持という。
【執筆者:廣本榮康】
二
供物・香水などを浄める作法。空海『即身成仏義』に「若し真言行人あって此の義を観察し、手に印契を作し、口に真言を誦し、心三摩地に住し三密相応にして加持するが故に早く大悉地を得」(正蔵七七・三八三上)とある。密教では修法上の作法として手に印を結び、口に真言をとなえ、心を三摩地に住すことにより妙果が得られるとされる。浄土宗における印を用いての加持は、半斎供養式の浄箸作法と洒水法における散杖の加持がある。これは小三鈷の印を結び、甘露葷荼利呪をもって行う加持である。また印を用いない加持としては、洒水法において香と浄水を和合させ遍浄の二徳を具足させる[悉曇:raṃ][悉曇:vaṃ]加持があり、半斎供養式の献供呪、棚経・施餓鬼会の変食陀羅尼は加持供物にあたる。
【執筆者:廣本榮康】