「二世安楽」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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2018年3月30日 (金) 06:30時点における最新版
にせあんらく/二世安楽
現世(今生)と来世(後生)の両世において安楽を得ること。様々な経典に見られ、例えば『大般若波羅蜜多経』では護持正法の功徳(正蔵七・九六三中)として、『正法念処経』では聞法の功徳(正蔵一七・三七五下)として説かれる。善導・法然の浄土教においては、『選択集』一一に説かれるいわゆる現当二世利益、すなわち現世に五種の嘉誉を得て二尊の影護を蒙り、来世に浄土に往生し成仏するということが該当するといえるだろう。忍澂は『吉水遺誓諺論』において、念仏相続する者は、現世では念仏者自身の過去現在の業障および不定悪業の消滅により延年転寿の楽を得られ、また聖衆の護念により悪鬼魔縁の影響を受けず横難横死に遭わず、仏の知らせにより自身の寿命を知ることができるので死を待つことさえも家に帰るような喜びになるといい、そして往生の浄業が円満し必ず極楽に生まれるため「二世安楽の身」(浄全九・三一下〜二上)になると説いている。
【参照項目】➡現当二益
【執筆者:市川定敬】