念仏の行者が現世および当来(未来)に受ける利益のことで、『選択集』一一に示されている。念仏は最勝の行であって、その上、念仏を修する者には観音勢至二菩薩の影護ようごを常に蒙ることができる現世の利益(現益)と、死後必ず浄土に往生して、やがて成仏することができるとする当来の利益(当益)の二益があることが説かれる。この両益が得られるのは念仏の行者のみで、余行では二菩薩の影護はなく、行者の未来も定まらない。
【参照項目】➡現世利益
【執筆者:伊藤瑛梨】