あっき/悪鬼
邪悪な心で人々を悩ませる者。夜叉、羅刹、獄卒のことで、鬼神、悪鬼神とも呼ばれる。法然は『選択集』一五で善導の『往生礼讃』を引用しながら、称名念仏の行者は六方の諸仏が護念することを述べている。具体的には「『十往生経』に云く、もし衆生有って、阿弥陀仏を念じて往生を願ずれば、彼の仏すなわち二十五の菩薩を遣して、行者を擁護せしむ。もしは行、もしは坐、もしは住、もしは臥、もしは昼、もしは夜、一切の時、一切の処に、悪鬼鬼神をしてその便を得せしめず」(聖典三・一八一/昭法全三四六)とし、護念の具体的なあり方の一つとして、悪鬼に悩まされないことを挙げている。
【執筆者:東海林良昌】