七高僧
提供: 新纂浄土宗大辞典
しちこうそう/七高僧
真宗で、釈尊から親鸞に至るまでの間に本願念仏の教えを開顕した七人を指す。その選定理由について親鸞自身の言及はないが、自ら西方浄土願生者であること、浄土願生についての著作および思想的特色があることなどが挙げられている。人名・著作・思想的特色は次の通り。インドの龍樹『十住毘婆沙論』「難易二道」、世親『往生論』「宣布一心」、中国の曇鸞『往生論註』『讃阿弥陀仏偈』「自力他力」、道綽『安楽集』「聖浄二門」、善導『観経疏』『法事讃』『観念法門』『往生礼讃』『般舟讃』「古今楷定」、日本の源信『往生要集』「報化二土」、法然『選択集』「選択本願」。親鸞は『教行信証』「正信偈」や『高僧和讃』などに七人を挙げその徳を讃歎している。親鸞には善導、法然の二祖を挙げる場合や、他の浄土教祖師を挙げる場合もあり、七高僧のみを強調するのは近世に入ってからである。法然の浄土五祖をうけたものであるが、その展開は親鸞独自のものがある。
【参考】石田充之「真宗の七祖選定について」(『真宗学』一三・一四合併、一九五五)
【参照項目】➡浄土五祖
【執筆者:藤田真隆】