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宗祖降誕会

提供: 新纂浄土宗大辞典

しゅうそごうたんえ/宗祖降誕会

宗祖の誕生を祝し報恩謝徳を表す法会法然長承ちょうしょう二年(一一三三)旧暦四月七日、美作国久米の南条稲岡庄(岡山県久米郡久米南町)の地に誕生した。この日を記念して、宗祖の盛徳を追懐し報恩の誠を表す法要をいう。降誕は釈尊の誕生をいい、宗祖の場合にも用いる。尊像を壇上に奉安し、香華、灯燭、供物等を供え、誕生の折に「白幡二流ふたながれ飛び来たりて、その木末こずえに懸かれり」(『四十八巻伝』一、聖典六・七)という奇瑞に基づき、堂前に白幡二旒にりゅうを立て荘厳する。『法要集』に定める仏祖等の法会は特定の仏号尊名を唱える奉請としている。この法会は「一心奉請 宗祖円光東漸慧成弘覚慈教明照和順法爾大師 願入道場 受我供養」と奉請し、「宗祖円光東漸慧成弘覚慈教明照和順法爾大師 降誕 上酬慈恩」と回願する。増上寺御忌会中の宗祖降誕会は、「一心奉請 宗祖法然上人 願入道場 受我供養」と奉請し、回願は「南無 宗祖法然上人 御降誕 報恩謝徳」と「唱礼」を回願している。


【執筆者:中野孝昭】