名義相応
提供: 新纂浄土宗大辞典
みょうぎそうおう/名義相応
如来の名(名号)とその如来のはたらきが合致すること。世親『往生論』に五念門のうち讃歎門を解釈するなかに「彼の如来の名を称するに、彼の如来の光明智相の如く、彼の名義の如く、如実に修行して相応せんと欲す」(聖典一・三六二/浄全一・一九三)と説いている。曇鸞はこれを『往生論註』下の讃歎門釈において「称彼如来名とは謂わく、無礙光如来の名を称するなり。如彼如来光明智相とは、仏の光明はこれ智慧の相なり。この光明十方世界を照らすに障礙あることなし。よく十方衆生の無明の黒闇を除く」(浄全一・二三八上~下)と解説している。すなわち阿弥陀仏の名を称名憶念する者は、阿弥陀仏の名(名号)と義(光明智相)と合致するため、その利益が得られ、衆生の無明が除かれるのである。
【資料】『往生論註記』四
【参考】藤堂恭俊「浄土教における観・称の問題」(『仏教文化研究』一二、一九六三)
【参照項目】➡如実修行相応
【執筆者:石川琢道】