光明智相
提供: 新纂浄土宗大辞典
こうみょうちそう/光明智相
仏の光明は智慧が相としてあらわれたものであり、十方世界を照らして衆生の愚痴を除くはたらきがあることを説いた語句。『往生論』の五念門中の讃歎門に「彼の如来の名を称するに、彼の如来の光明智相のごとく」(聖典一・三六二/浄全一・一九三)と説かれており、曇鸞はこれを釈して、「仏の光明はこれ智慧の相なり。この光明、十方世界を照らすに障礙あることなし。よく十方衆生の無明の黒闇を除く」(『往生論註』下、浄全一・二三八上~下/正蔵四〇・八三五中)とし、十方世界を礙げなく照らす無礙光如来(阿弥陀仏)の光明は、智慧が相となってあらわれたものであるから、照らされた衆生の無明を滅するはたらきがあると説いている。
【執筆者:梶原隆浄】