「地鎮式」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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2018年3月30日 (金) 06:26時点における最新版
じちんしき/地鎮式
建築儀礼の一つ。工事の着工に先立ち敷地を整え、諸仏天神地祇などに法楽を捧げ、工事中の安全と地中の生き物の得脱を願う儀式。本堂などの工事は通常の工営ではなく、ここに仏の教えを弘める場所として荘厳し、三宝を敬う善業であるから、諸天神が常に営衛することを念じる式でもある。本堂建築の場合、地鎮式は三部構成からなり、仮本堂で地鎮式挙行の旨を奉告し(序分)、式場において地鎮式を修して鎮め物を埋め(正宗分)、再び仮本堂で無事円成の奉告の回願を行う(流通分)。本堂の場合は本尊を奉安する付近、書院などの場合は床の間付近に式場を区画する。式場の四隅に四天王幡をつけた葉竹を立て、各竹の間に紅白の撚縄を張りめぐらせて結界する。さらに、将来本尊を奉安する場所は適宜の深さに掘り、その四隅に葉竹を立てて五色の糸を張って結界する。式場の中央に壇を設けて、仏像または名号を奉安し、その前に鎮め物を置き、浄水・紅白の鏡餅・供物などを供える。鎮め物は、その土地の除災安全を念じるために、香・五穀・経巻・宝輪などを壺などに入れて洒浄してから埋鎮する。また鎌・鍬・鋤入れの儀を行うこともある。
【参考】『図説 浄土宗の法式』三・法要篇二(斎々坊、一九九二)
【執筆者:西城宗隆】