法楽
提供: 新纂浄土宗大辞典
ほうらく/法楽
一
①仏法を味わい、信受することによって得られる喜びや楽しみ(自らが仏法を楽しむ)。②神仏の前で大乗経典を読誦し講説すること(他者に仏法を楽しませる)。
【資料】『維摩詰所説経』菩薩品(正蔵一四・五四三上)、『大智度論』九(正蔵二五・一二四下)
【執筆者:大屋正順】
二
神仏に誦経や奏楽を手向けて、その心を楽しませること。転じて、仏前に舞楽などを奉納演奏すること。法会の後に奏楽をはじめ和歌・連歌・俳句・芸能などを仏前に奉納することをいい、さらに娯楽、法要後の清興をも意味するようになった。また神前での仏教儀礼および仏前での簡単な勤行または声明を指すこともある。御神殿法楽と称すように、鎮守などの神前での誦経をいう(「三門通規」五『増上寺史料集』三・二九一)。鎮守法楽は修正会・晋山式に「法楽偈」と「宝号三唱」を唱える。「法楽偈」は神祇に唱えるものであり、「神祇法楽偈」とも称した(『法要集』昭和一四年版)。
【執筆者:西城宗隆】