わか/和歌
広義には長歌、短歌、旋頭歌、仏足石歌等の総称、狭義には三一文字の短歌をいう。漢詩に対して仮名による大和歌で、自然、恋、死別、羇旅などにおける私的な感情を表現したものである。古くは勅撰集として、また私家集として編纂されるようになり、貴族から庶民にいたるまでの情感を知ることができる。武士や出家者も作歌した。とくに仏・寺・経典・教理・仏事などを題材とする歌を釈教歌と称し、しだいに法文教理が中心となった。これらは道歌とも呼ばれる。法然作のものは『続千載和歌集』に収載されている「月影」をはじめ、二十数首が伝わる。
【参照項目】➡法然上人の和歌
【執筆者:魚尾孝久】