宍戸栄雄
提供: 新纂浄土宗大辞典
ししどえいゆう/宍戸栄雄
大正九年(一九二〇)三月一四日—平成七年(一九九五)四月五日。恭蓮社順誉良阿声道。法儀司宍戸寿栄の次男として京都に生まれる。佛教専門学校を卒業後、昭和一七年(一九四二)一条組真教寺住職となる。バス転落事故が起因となって声明を志すこととなり、同二四年より天台声明大成の採譜者吉田恒三に師事して声明を習得、氏の没後は中山玄雄に教えを受け、探声会会員として声明を研究した。以来、知恩院式衆会・黒谷法儀研鑽会・専修学院・吉水学園はじめ各地の講習会で法式指導に当たり、一遇会などの門下生の研修講録からは『晋山式』『盂蘭盆会・施餓鬼会』等を監修、自坊にあっては茶道を教授しつつ、六道講式を略した三途講式や、地蔵講式、放生会を簡略化した経本を発行した。平成二年(一九九〇)より法式研究所に続き、浄土宗総合研究所法式研究部主任として法然院伝承の広布薩を復興させ、視聴覚による教習テキストの重要性を力説して、ビデオ『浄土宗法儀の実際』全一四巻(国書刊行会、一九九二)を完成させた。昭和四七年(一九七二)法儀司叙任。平成七年寂。著書に『仏具大事典』(鎌倉新書、一九八二)、『本堂の荘厳』(近畿教化センター、一九七七)、『表白宣疏集』一(近畿教化センター、一九八〇)、『浄土宗信徒の心得ごと』(探究社、一九八〇)、『浄土宗のお仏壇』(同、一九七九)、『日常勤行式』(一遇会、一九八二)、『つみくさ・話の種に』(金戒光明寺、一九七三)、その他、声明大系「御忌」唱導のほか、録音されたものも多い。
【執筆者:清水秀浩】