仏道修行のために師範や善友ぜんぬを求めて諸国を巡り歩くこと。『華厳経』において文殊に勧化された善財童子が南方遊行したのも行脚である。法然の月命日である二五日に行われる念仏行脚は、知恩院周辺を中心に巡り歩き、西山三派提唱による法然上人追慕念仏行脚は、嘉禄の法難を偲んで一月二四日夜、太秦うずまさ西光寺を出発して松尾大社・物集女もずめを経由し、粟生あお光明寺に至るものである。また、禅宗の雲水が寒中托鉢や大根托鉢などと称して軒付けするのに類似する「寒念仏」も行脚の一種で、京都市内の宗内寺院の恒例行事である。
【参照項目】➡寒念仏一
【執筆者:清水秀浩】