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隆円

提供: 新纂浄土宗大辞典

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りゅうえん/隆円

宝暦九年(一七五九)—天保五年(一八三四)五月二五日。託蓮社調誉順阿。また知周託静ともいう。江戸時代後期の学僧で、特に史伝と伝法に精通した宗学者であった。京都北野専念寺に住して活動した。俗姓は勝山氏。幼くして父と死別した。九歳で紙水智覚尊者のもとで得度し、仏定の門に入った。のちに増上寺で修学し、隆善円宣に嗣法した。さらに祐信の門に入り、祐信の滝山大善寺移籍に随身し、上首として所化の指導に当たること四年。京都へ帰り隠遁を志すが師仏定に許されず、北野回向院に五年住し、専念寺に住して寺門の興隆に尽力した。さらに知恩院の役職を九年勤めた。隆円には多数の著書があるが、特に『近世念仏往生伝』三巻は四〇年をかけて執筆され、二二八名の往生人が収載されている。また、伝法に関しては在家用に『浄業信法訣』五巻、僧侶・学人用に『吉水瀉瓶訣』五巻を著し、伝法のありようをしめしている。その他著書には『近世淡海念仏往生伝』『淡海念仏往生伝』『円光大師尽孝説』各二巻、『厭求和尚法語』一巻、『専念法語』三巻等多数。


【参考】長谷川匡俊『近世浄土宗の信仰と教化』(渓水社、一九八八)


【執筆者:𠮷水成正】