法要
提供: 新纂浄土宗大辞典
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ほうよう/法要
仏法の肝要、教えの要点。転じて、仏教儀礼の法会・法事・仏事の意として用いる。1法会における法式。正式には四箇法要という。これを略して法要といい、法用とも書く。四箇法要は始段唄(梵唄)・散華・梵音・錫杖の四つの声明を唱える法要(『諸回向宝鑑』一、一〇オ)。法式の内容により、一・二箇法要などの別がある。多くの法要は四箇法要を略したものであり、作梵(梵唄)の代わりに四智讃または歎仏偈などを用いることがある。2仏教の法要儀式。「法式に関する規程」では、浄土宗の法要を日常勤行、定期法要、臨時法要および特殊法要の四種類に区分している(宗規二九号)。日常勤行は、日常に自身の修行のために行う法要で、晨朝法要・日中法要・日没法要という三時ないし六時の勤行からなる。定期法要は、日程の定まっている修正会(一月一日)・盂蘭盆会(七月一五日)・十夜法要(一〇月一五日)などをいうが、事情によってその期日、期間を変更できるとしている。臨時法要は、開山忌・施餓鬼会など各寺院によって期日が規定されている法要をはじめ、期日を特定できない晋山式・葬儀式などをいい、勤修の期日によって区分している。特殊法要は、「法事讃」などの大法会で修す特別な法要としている。『法要集』(大正一三年版)には「宗定法要式」としていたが、『法要集』(昭和一四年版)以降は、「差定の部」として各種の式名とその式次第を記している。ただし、知恩院などの御忌大会では、晨朝法要・日中法要・逮夜法要という三座の法要が行われ、法要儀式名ではなく時系列で区分している。増上寺御忌では時系列でもあるが、日中法要の声明・引声法要などと称している。『法要集』に掲載している法要は、日常勤行式をもとに法要の目的に応じてさまざまな儀礼を加えて、葬儀式・施餓鬼会などとして厳修している。特殊法要には、悔過・講式・論義などがある。悔過は阿弥陀仏などの三宝に向かって自己の罪過を懺悔し往生を念じる法要で、阿弥陀懺法がある。講式は仏・菩薩・列祖の功徳を讃歎する法要で、知恩講式・舎利講式・羅漢講式・六道講式などがある。論義は経典などの問題点について問答する法要で、法問(上読法問・下読法問)が行われた。
【参照項目】➡四箇法要、法会、日常勤行式、定期法要、臨時法要、特殊法要
【執筆者:西城宗隆】