「四身四土」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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2018年3月30日 (金) 06:26時点における最新版
ししんしど/四身四土
天台宗などで説かれる仏身仏土説。四身は『仏地経論』七(正蔵二六・三二二下)など他の経論にも見られるが、天台宗では劣応身・勝応身・他受用身・法身を指す。また、凡聖同居土・方便有余土・実報無障礙土・常寂光土を四土とする。四身は応身・報身・法身の三身説のうち、応身を勝と劣に、また報身も他受用身と自受用身にそれぞれ分けて捉えたもの。このうち劣応身は釈尊のように三十二相をそなえながらも、凡夫が見ることのできる仏を指し、勝応身はすぐれた機根の者が見られる仏で、神通変現自在の威徳がある。阿弥陀仏もこの勝応身に分類される。他受用身は無明を断じた菩薩に説法をし、自受用身は如来内証の広大な法楽を受用する報身の仏を指す。また四土のうち、凡聖同居土は凡夫と聖者が同居しているところで、それに浄穢二土があって、穢土は現実の娑婆のような不浄な世界を指し、浄土は極楽に代表されるような、清浄ではあるもののまだ凡夫と同居している仏土を指す。方便有余土は、肉体や寿命への執着を断じたもののいまだ無明を断じていない二乗三賢などが住する仏土である。また、実報無障礙土は無明を断って中道を悟った菩薩がいるところで、常寂光土は法身如来所居の最高なる仏土である。これら四土に四身をあてはめてい る。
│ ┌─────┴浄土
└自受用身┐
【資料】天台『観経疏』(浄全五・二〇四上)、同『維摩経略疏』一(正蔵三八・五六四上)
【執筆者:横田善教】