「回国」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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2018年3月30日 (金) 06:21時点における最新版
かいこく/回国
諸国を回って歩くこと。また、諸国の札所を回って礼拝して歩く回国巡礼のことをいう。廻国とも書く。回国僧・回国聖の例には阿弥陀聖、高野聖、六十六部などがある。いずれも諸国を遍歴し布教・勧進・行乞などをする。高野聖は平安後期に小田原別所の教懐が組織したといわれ、遊行・唱導により空海入定信仰を広めるとともに納骨・勧進活動を行った。近世には笈に呉服を仕込み行商する者もいた。六十六部は全国六六ヶ所の霊場(一国につき一所)に『法華経』を納経して歩く修行者で、鎌倉時代初期にはみえ、回国といえば六十六部だけをとりあげることもある。笈に経巻を入れて背負い、托鉢によって路用を調達し、善根宿と呼ばれる布施によって宿所の提供をうけた。天野信景『塩尻』五九には「世に扶桑六十六州を巡り、州毎に神社・仏閣に納経する修行者あり。これを六十六部と謂う、又回国行者と曰う」とある。
【執筆者:今堀太逸】