的門上人全集
提供: 新纂浄土宗大辞典
てきもんしょうにんぜんしゅう/的門上人全集
的門上人全集刊行会編。大正九年(一九二〇)六月—同一〇年四月、的門上人全集刊行会より発行。全五輯。本書は江戸末期から明治初期にかけて布教家として活躍した北条的門の著書数百巻の中から、的門没後に門弟、佐藤徳善等が整理し刊行したもの。第一輯の巻頭に知恩院山下現有、増上寺堀尾貫務、金戒光明寺大鹿愍成、百万遍中嶌観琇の四大僧正による序文、および福田行誡自筆自画の讃、的門の遺影、名号、略伝などが収められる。内容は、第一輯に「水月感応弁」「真成仏恩弁」「一枚起請竹園説」「宗義開出」「選択大意」など六八項目にわたる講説。第二輯に『信法要決弁釈』三巻、『托事雑集』六巻、『普通円戒弁釈』二巻、『十善戒勧誘弁釈』『授十善戒儀作法』各一巻。第三輯に『大経五悪段弁釈』一巻、『大経五悪段弁釈托事弁』三巻、『選択本願念仏集資講』三巻。第四輯に『西要鈔弁釈』七巻、『御遺誓資講』三巻。第五輯に『吉水大師御絵伝縮図弁釈』四巻、『大原問答資講』として四三席の講説、巻末に的門上人遺稿序題跋文集記、清浄華院仏定による跋文が収録されている。『信法要決弁釈』は化他五重の勧誡録として必読の書である。
【執筆者:後藤真法】