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吉水

提供: 新纂浄土宗大辞典

よしみず/吉水

法然比叡山を下りて、西山広谷を経て草庵を結んだ地。現在の京都市東山区円山公園の一部に位置する。真葛原まくずがはらの東端の弁財天女社には、法水窟より湧き出した垂水がある。その水が清らかであったので、流域一帯を「吉水」と呼んだ。法然草庵はこの辺りにあったため吉水の禅房と呼称された。法然流罪の後、現円山公園の一帯は安養寺の山域となる。『京都白毫寺蔵大谷古地図』(『法然上人研究』四・口絵)には、その西南部に吉水の三つの房舎が並び建つ様が描かれている。ただし『翼賛』四九(浄全一六・七〇三)は、それらの房舎は現知恩院境内の辺りに散在したと記している。


【参照項目】➡吉水の禅房真葛原


【執筆者:齋藤蒙光】