宝台院
提供: 新纂浄土宗大辞典
ほうだいいん/宝台院
静岡市葵区常磐町。金米山龍泉寺。静岡教区№九三。永正四年(一五〇七)鎌倉光明寺九世観誉祐崇が柚木に最後往生の寺として開創。天正一七年(一五八九)徳川家康側室西郷の局(お愛の方)を葬る。慶長九年(一六〇四)家康により紺屋町に移転され、家康自画像等の寄付があり、西郷の局十七回忌法要を営む。元和三年(一六一七)快慶作家康守り本尊「白本尊阿弥陀如来」(国重要文化財)を安置。寛永五年(一六二八)秀忠が現在地に移転し、増上寺とともに徳川家当用の菩提寺とする。山内に多数の塔頭、末寺を有し、駿河国触頭となり、引込紫衣地七箇寺の一つとなり、七世存意のとき常紫衣の綸旨を賜る。慶応四年(一八六八)より一五代将軍徳川慶喜が当寺に約一年間謹慎。昭和一五年(一九四〇)静岡大火により、国宝の伽藍焼失。境内に西郷の局供養塔があり、綸旨や墨跡を多数所蔵している。
【資料】『蓮門精舎旧詞』一八(続浄一八)、『浄土宗寺院由緒書』中(『増上寺史料集』六)、大島泰信『浄土宗史』(浄全二〇)
【執筆者:野上智徳】