宝冠阿弥陀
提供: 新纂浄土宗大辞典
ほうかんあみだ/宝冠阿弥陀
宝髻を結い宝冠を戴いて結跏趺坐する阿弥陀仏。『無量寿如来供養作法次第』による真言密教紅頗梨秘法本尊としての紅頗梨阿弥陀と、天台宗常行三昧法本尊の大きく二種に分けることができる。前者は、阿弥陀仏が金剛界五方五仏の五大五色配置によると火大赤色となることから体軀や着衣が赤色にあらわされ、後者は身色が皆金色で大衣を通肩に着し、定印を結んで結跏趺坐するといった特徴がある。また、紅頗梨阿弥陀は独尊で、常行堂本尊阿弥陀は五尊であらわすのが正則であるとされる。
【資料】空海『無量寿如来供養作法次第』(『弘法大師全集』二)
【参考】光森正士「阿弥陀仏の造像」(奈良国立博物館編『阿弥陀仏彫像』東京美術、一九七五)【図版】巻末付録
【執筆者:藤田直信】