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五大

提供: 新纂浄土宗大辞典

ごだい/五大

あらゆる世界の万物を作り出している地大・水大・火大・風大・空大の五つの構成要素。Ⓢpañca-mahā-bhūta。五大種ともいう。六大(識大を加える)、七大(見識・識大を加える)中の前五大。インド六派哲学の数論派(サーンキヤⓈsāṁkhya学派)では五大は五つの微細な元素である五唯(声・触・色・味・香)から生じるとし、二十五諦(二十五の原理)の一つに位置づける(『金七十論』上、正蔵五四・一二四六下)。俱舎、唯識では四大(空大を除く)を説き、密教では五大からさらに六大(識大を加える)を説く。五大大日如来象徴とみなし、五位・五仏・五智五色・五形などに配する。五輪塔はこの五大思想の考えに基づく。


【参考】中村元『ヨーガとサーンキヤ思想』(『中村元選集〔決定版〕二四 インド六派哲学Ⅰ』春秋社、一九九六)


【参照項目】➡四大


【執筆者:北條竜士】