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五色

提供: 新纂浄土宗大辞典

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ごしき/五色

青黄赤白黒しょうおうしゃくびゃくこくの五種類の色。五正色しょうじき五大色ともいう。五正色は東・中央・南・西・北の五方に配し、五間色(緋・紅・紫・緑・碧)に対していう。インドでは袈裟に用いてはならない華美な色であった。中国では五色観念五行説に関連づけられた。五大色は地水火風空の五元素のもつ固有の色をいい、地大は黄、水大は白、火大は赤、風大は黒、空大は青としている。五色の雲は、聖衆来迎瑞相とされる瑞雲をいう。五色の糸は、臨終のときに阿弥陀仏の手から念仏者の手に渡して引接を願うために用いた。善光寺のご開帳のときは、一光三尊阿弥陀如来の右手に結ばれた金糸が五色の糸にかわり、白い善の綱として本堂の前の回向柱に結ばれている。また、五色のなかの黒を紺などに変えて、施餓鬼会五輪幡はじめ五色幡で用いられている。仏旗は、緑・黄・赤・白・黒(紫)であったが、国際仏旗として青・黄・赤・白・樺(橙)を用いている。『観経』には「五色の光あって、仏口ぶっくより出づ」(聖典一・二九一/浄全一・三九)とある。


【参照項目】➡五色の糸五色幡


【執筆者:西城宗隆】