月僊
提供: 新纂浄土宗大辞典
げっせん/月僊
寛保元年(一七四一)—文化六年(一八〇九)一月一二日。浄蓮社詳(祥)誉。諱は玄瑞。字は玉成。寂照主人とも称した。尾張国那古野(名古屋市)の味噌商家に生まれ、七歳のとき同地円輪寺関通のもとで得度。江戸に移り増上寺学寮で修学し、同寺四六世妙誉定月より月僊の号を賜る。その傍ら桜井雪館に水墨画を学び、のち京都へ移ってからは円山応挙に師事した。知恩院五七世貞現の要請で伊勢国山田(三重県伊勢市)寂照寺住職となり、社会事業を活発に行い荒廃していた当寺を復興した。知恩院、伊勢寂照寺、東京妙定院等に作品が所蔵されている。
【資料】『略伝集』(浄全一八)
【参考】浜口良光『月僊上人—その伝記と作品』(月僊上人顕彰会、一九六九)
【執筆者:大屋正順】