「自性念仏・資糧念仏」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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じしょうねんぶつ・しりょうねんぶつ/自性念仏・資糧念仏
明恵『摧邪輪荘厳記』に説かれる二種の念仏。同書には「念仏に二種有り。一つには自性念仏、二つには資糧念仏なり。初めの念仏は謂わく観経所説の像観真身観乃至諸宗念仏観行等是なり。即ち真言五相成身転字成仏観門等の如きは是れ即ち自性念仏に摂すべし…後の念仏はこの類甚だ多し。凡そ正見と相応して仏に帰信する一切の善根を皆以て資糧念仏と名づく。称名行は即ち後の念仏に摂する所なり」(浄全八・七九四上~下/日蔵七四・三六一~二)とある。ここでは念仏義について自性念仏と資糧念仏の二種を立て、諸宗の念仏観行を自性念仏、仏に帰依して悟りへと向かうに相応する一切の善根を資糧念仏とする。この場合、称名念仏は資糧念仏に含まれるという。しかし懐音は『諸家念仏集』五の「華厳念仏」の項においてこれを批判し、称名念仏は自性念仏であることを述べている。
【資料】『諸家念仏集』五(浄全一五)
【参照項目】➡摧邪輪荘厳記
【執筆者:髙橋寿光】