「聞法」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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2018年3月30日 (金) 06:35時点における最新版
もんぼう/聞法
仏法を聴聞すること。仏道修行のはじまりにして基礎的な行。初期仏典『ウダーナヴァルガ』は聞法による四つの利徳を挙げる。すなわち①諸法を知る、②罪を止める、③非利益を捨てる、④涅槃に到る、である。このように聞法は、例えば三慧(聞・思・修慧)の冒頭に「聞」があり、それを土台にして修行階梯が進展するごとく、仏教全般において重視される徳目である。この聞法の次第(②→④)は、戒・定・慧の三学によって解脱を得ることにも対応する。また、成仏のための七つの教え「七聖財」の一つにも挙げられ(聞財)、『ジャータカマーラー』では聞法自体が修行者にとって最上の財産であり、親友であり、吉祥・宝蔵であるとさえ説かれる。こうした立場は大乗へ継承され、経典受持、法師尊重にも繫がった。『瑜伽論』菩薩地では、聞法対象である法、法の説き手たる説法者を恭敬すること、『地蔵菩薩経』では説法者への供養は仏への供養に等しいとさえ説かれる。浄土教との関わりでいえば、極楽浄土において阿弥陀仏に直接対面し(見仏)、阿弥陀仏から直接教えを授かる(聞法)ことが知られている。
【参考】ツォンカパ著/ツルティム・ケサン、藤仲孝司訳『悟りへの階梯』(UNIO、二〇〇五)
【執筆者:中御門敬教】