操作

解脱

提供: 新纂浄土宗大辞典

げだつ/解脱

苦から解き放たれ脱すること、一切の煩悩や束縛から離れて精神的な自由を得ること。また、苦なる迷いの世界から解放された真の安らぎの世界、すなわち、涅槃悟りの境地)をも意味する。Ⓢ(vi)muktiⓈ(vi)muktaⓈ(vi)mokṣaⓅ(vi)muttiⓅ(vi)muttaⓅ(vi)mokkhaの漢訳。(毘)木叉・(毘)木底と音写される。人は現世でなした業にしたがって来世に生まれ変わり、善業をなせば善趣(人・天)に、悪業をなせば悪趣地獄餓鬼畜生阿修羅)に生まれる。しかし、善趣に生まれ変わっても、その善業が尽きれば、再び悪趣に堕ちることもある。つまり、善趣といえども最終的な安住の地ではない。そこで仏教は、輪廻の原因となる、善業や悪業といった有漏業(煩悩に基づいた業)を滅し、無漏業(煩悩に基づかない業)によって、善趣をも超えた境地、すなわち涅槃を究極の目標として目指すが、この輪廻からの超越を解脱という。


【参照項目】➡輪廻涅槃


【執筆者:平岡聡】