「無勝浄土」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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2018年3月30日 (金) 06:34時点における最新版
むしょうじょうど/無勝浄土
釈尊の浄土のこと。無勝荘厳浄土、無勝土ともいう。『涅槃経』二四(正蔵一二・五〇八下~九上)には、釈尊が自らの浄土である無勝浄土から、衆生教化のために敢えてこの娑婆世界へと現れ出たことが説かれている。道綽『安楽集』(浄全一・六七七上)にはこの説が報身報土の一例として紹介され、善導『法事讃』の偈頌には「無勝荘厳釈迦仏」(浄全四・二上)とあり、『般舟讃』には「釈迦如来の真報土は清浄荘厳無勝これなり」(浄全四・五三〇上)とある。また、法然『無量寿経釈』(昭法全六七)の冒頭には、釈尊が衆生に浄土の教えを説くために、無勝浄土を捨てて娑婆世界に出現したとの説が述べられている。
【執筆者:工藤量導】