「五輪塔」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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2018年9月17日 (月) 01:17時点における最新版
ごりんとう/五輪塔
塔の一種で仏教において全ての生成の源とされる五大元素、地・水・火・風・空を象ったもの。下から地(六面体)・水(球体)・火(三角形)・風(受花)・空(宝珠)を表す。各部に五大の種字を刻む作例や、浄土宗では六字名号を刻むものも見られる。平安時代に密教の分野で研究が進展し、胎蔵界の大日如来の身体各部とも対応するとされるようになった。このような思想に基づき木や石・水晶・金属等で象って供養塔や舎利容器とする例が見られる。インド起源の思想に基づくが現在までのところ他国に類例を見出せず、日本で独自に考案されたものと考えられている。古い例では平安時代後期の京都法勝寺小塔院出土の軒丸瓦に表されたものが知られる。また鎌倉時代以降は、等身大程度のものから西大寺の叡尊供養塔のような幾つもの部材を組み合わせた巨大なもののほか、高さ数十センチの一石五輪塔が数多く遺されている。この派生型として重源に関係すると考えられる、火輪部を通常の四角錐から三角錐とした三角五輪塔などが知られる。
【執筆者:近藤謙】