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諸仏称揚願

提供: 新纂浄土宗大辞典

しょぶつしょうようがん/諸仏称揚願

無量寿経』所説、阿弥陀仏四十八願中第十七願の願名。道光無量寿経鈔』による。義寂は「諸仏同讃名字願」(『無量寿経述義記』中、恵谷隆戒浄土教の新研究』四二一)、智光良源は「十方諸仏称讃我名願」(『無量寿経論釈』三、恵谷隆戒『同』四七六/『九品往生義』浄全一五・一七)と呼ぶ。成仏したなら、あらゆる世界の仏たちがみな阿弥陀仏の名を称賛(咨嗟しさ)し、たたえるようにしたい、という願。法然は『三部経大意』に「名号をもて因として衆生引接したまう事を一切衆生に遍く聞かしめんがため」(聖典四・二八七/昭法全三二)にこの願が立てられたことを述べる。また永観は『往生拾因』第一〇因において「釈尊独り不可思議の悲願を讃嘆したまうに非ず、十方恒河沙の諸仏、同じく以て称揚咨嗟したまえり」(浄全一六・三九一〜二)と述べて第十八願を称賛していると理解する。『大阿弥陀経』第四願の一部、『平等覚経』第十七願の一部、『無量寿如来会』、梵本、チベット訳のそれぞれ第十七願が対応する。『無量寿荘厳経』には直接対応する願文がない。


【資料】道光『無量寿経鈔』三、義山『無量寿経随聞講録』上之三


【参考】香川孝雄『無量寿経の諸本対照研究』(永田文昌堂、一九八四)


【参照項目】➡四十八願


【執筆者:齊藤舜健】